top of page

父・河井醉茗

 1874年大阪生まれ、「少年文庫」、「文庫」の記者として詩欄を担当。詩集「無弦弓」刊行、「女子文壇」「新少女」を編集、日本詩人協会・大日本詩人協会創立に参加。口語自由詩、散文詩を推進。作詩「ゆずり葉」は私たちが小学5年生のころの教科に掲載された。

文庫派(コトバンクより抜粋転載)
 1888年創刊の「少年園」から分かれた「少年文庫」が前身。小説、評論、詩、短歌、俳句などの投稿誌。新人育成の場として勢力をもつようになり、特に詩人や歌人でこの雑誌を登竜門として、のちに一家をなした者の数はおびただしい。文庫派と別称される河井醉茗、横瀬夜雨、伊良子清白、内田茜江、有本芳水、塚原山百合(のちの島木赤彦)、北原白秋、窪田空穂、三木露風、川路柳虹、長谷川春草、平井晩村、山崎紫紅、原田譲二らの大家たちを輩出した。雑誌の雰囲気は新奇というより温和でクラシックな傾向だったが、明治大正の文学史上に果たした役割は無視できない。

 

河井醉茗著書一覧  『ウィキペディア(Wikipedia)より』

塔影 河井酔茗

著書[編集]
•    『無弦弓』内外出版協会 1901年 詩集
•    『剣影』金色社 1905年
•    『塔影』金尾文淵堂 1905年 詩集
•    『玉虫』女子文壇社 1906
•    『論説記事文範』編 博文館 通俗作文全書 1907年    
•    『新体詩作法』博文館 通俗作文全書 1908年
•    『霧』東雲堂 1910年
•    『新体少女書翰文』博文館 1912年
•    『なゝ姫 少女物語』同文館 1913年
•    『街樹』梁江堂書店ほか 1915年
•    『弥生集』天佑社 1921年 詩集
•    『東京近郊めぐり』博文館 1922年 大空社 1992年
•    『砂上に咲く花 少女物語』天佑社 1923年
•    『酔茗詩集』アルス 1923年
•    『生ける風景』アルス 1926年
•    『日本立志物語』高畠華宵絵 アルス 日本児童文庫 1928年
•    『紫羅欄花 詩集』東北書院 1932年
•    『南窓』人文書院 1935年
•    『明治代表詩人』第一書房 1937年
•    『酔茗詩抄』岩波文庫 1938年
•    『酔茗詩話』人文書院 1938年 日本図書センター 1990年
•    『トホリヤンセ 新興童謠繪本』清原ひとし画 岡村書店 1941年
•    『酔茗随筆』起山房 1943年
•    『真賢木』金尾文淵堂 1943年 詩集
•    『花鎮抄』金尾文淵堂 1946年 詩集
•    『詩の作り方』民生本社 1948年
•    『塔影・花鎮抄 詩集』西郊書房 日本定本詩集 1948年
•    『河井酔茗詩集』小牧健夫解説 角川文庫 1953年
•    『千里横行 河井酔茗詩集』島本融編 塔影詩社 1966年 

 

共著編[編集]
•    『詩美幽韻』編 内外出版協会 1900年
•    『吹雪の敵 悲絶痛絶』井上松雨共著 金港堂 1902年
•    『青海波』編 内外出版協会 1905年
•    『桂の巻』河井酔茗 (又平) 選 戸田直秀編 佐久良書房 1906年
•    『女子作文良材』溝口白羊共編 三星書房 1908年
•    『文庫詩抄』編 酣灯社 1950年

 

 ゆづり葉         河井酔茗

 

  子供たちよ。
  これは譲り葉の木です。
  この譲り葉は
  新しい葉が出来ると
  入れ代つてふるい葉が落ちてしまふのです。

  こんなに厚い葉
  こんなに大きい葉でも
  新しい葉が出来ると無造作に落ちる
  新しい葉にいのちを譲つて――。

  子供たちよ。
  お前たちは何を欲ほしがらないでも
  凡てのものがお前たちに譲られるのです。
  太陽の廻るかぎり
  譲られるものは絶たえません。

  輝ける大都会も
  そつくりお前たちが譲り受けるのです。
  読みきれないほどの書物も
  みんなお前たちの手に受取るのです。
  幸福なる子供たちよ
  お前たちの手はまだ小いさいけれど――。

  世のお父さん、お母さんたちは
  何一つ持つてゆかない。


  みんなお前たちに譲つてゆくために
  いのちあるもの、よいもの、美しいものを
  一生懸命に造つてゐます。

  今、お前たちは気が附つかないけれど
  ひとりでにいのちは延のびる。
  鳥のやうにうたひ、花のやうに笑つてゐる間に気が附いてきます。

  そしたら子供たちよ
  もう一度譲り葉の木の下したに立つて
  譲り葉を見る時が来くるでせう。

 

********************

私たちが小学5年生の頃の教科書に「ゆづり葉」の詩が載っていて全国の小学校で暗唱して

いました。現代仮名遣い、難しい漢字は平仮名でした。

© 2023 by K.Griffith. Proudly created with Wix.com

bottom of page